平成21年(2009年)1月、64列のCTが導入されました。単純にいうと、以前のCTよりも64倍の速さで撮影が可能となります。また0.5 mmの厚さで撮影し、後でコンピュータ処理を行うことにより、いろいろな断面のきれいな画像を作ることができます。
背骨などの複雑な構造を持つ骨では、本来、小さな骨折は分かりにくいものですが、64列のCTにより、立体画像で観察したり、いろいろな断面の画像を作ることにより、小さな骨折までもが分かるようになります。整形外科の手術後や骨折において、仮骨が形成されることは順調な治癒の現れでもあります。 64列のCTではその仮骨の形成状況をきれいに描出できるので治療中の観察にも役立ちます。また、造影剤を使うことにより、脳内の血流状況が把握できたり、脳梗塞の原因にもなる心臓の血栓や頸動脈の血栓が描出されたり、動脈硬化で細くなった血管が描出されるなど検査・治療レベルの向上が期待されます。